北海道大学自転車競技部の練習日記

北海道大学体育会公認の自転車競技部の練習日記です。部員がそれぞれ記事を投稿していきます。

ツールド北海道(裏)第1ステージ

第1ステージのゴール地点多和平、ゴールした選手達は疲弊しきっていたのだった。
200キロに及ぶ長丁場ながら100キロ以上落ち着くことのなかったレース展開、初秋の北海道とは思えない暑さ、もはや疲労はピークに達していた。何とか全滅の危機を免れたサポートメンバー疲労の色を隠せない。

しかしそんなチーム(の一部)に衝撃が走る。

「あれ、そこにある冨岡のメガネ壊れてね?」
「なん……だと…。」

そう、走り切った安堵感からか、不注意にもメガネを地べたに置いてしまっていた。そして誰かに踏まれてしまったのだった。
踏んだのは自分かもしれないし、他の人かもしれないし、今となってはどうだっていい。
しかしメガネを失ったメガネ選手なんて、ただの目が悪い選手ではないか。レベルの高いレースではかなり致命的、というかホントの意味で命取りである。視力が低いまま実業団選手とダウンヒルをするのは絶対に無理。
しかしここ多和平ではメガネを入手できる場所など到底あるはずもなく、一同は絶望した。
そうは言っても明日の第2ステージは待ってはくれない、ここからメガネを探す裏第1ステージが始まった。

監督と北海道に詳しい佐々木さんによって目的地は「それなりに町っぽい」らしい中標津に決まった。こんな状況にならなければ人生で一度も訪れる事のなかった土地だろう、まず聞いたこともなかった。
一度宿に荷物を下ろした後、監督と自分は中標津へチームカーを走らせる。

監督は中標津に住んでいたこともあるので、宿から中標津まではスムーズに進んだ。道中はエクストリームな中標津の話や明日のステージについて話をしつつ、すぐに目的地のメガネのプリンスへ到着。無駄な広さの駐車場、流石は北海道。

店内では一年目の清水が付けているようなカッコいいメガネを探したが見つからず、適当な安いフレームを選択。幸いレンズも在庫があった。

完成を待つ間はスーパーで買い出しをしつつ食料をなるべく摂取。ステージレースでは食べ続けなければ体が持たないのだ。幸い食欲はかなりあったのでパンをモリモリ食べた。他の選手は宿で食事をとって回復しているだろう、遅れを取ってはいけないのだ。
そうこうしている間にメガネが完成。急いで出発、いざ宿(のバイキング)へ。

古い度の合っていないメガネを使っていたせいか、とてもクリアになった視界に感動する。
「星がきれいですねー」
中標津は星がきれいなんだよ」
「そうなんですかー」
とか、内容だけはロマンチックな会話をしつつ宿に到着。今考えると田舎なら大抵星はきれいなんですけど。

そんなこんなで何とかメガネを入手しつつ、バイキングにも間に合った。美味しい食事を堪能した。裏第1ステージを一人引きしてくれた監督に感謝です。
というわけでツールド北海道の初日は終了、長い長い一日でした。