北海道大学自転車競技部の練習日記

北海道大学体育会公認の自転車競技部の練習日記です。部員がそれぞれ記事を投稿していきます。

第39回道新杯自転車ロードレース大会 長澤

札幌市民体育大会のレースレポートぶりに投稿します。長澤です。

 

先日、10/11(日)に第39回道新杯自転車ロードレース大会が行われましたので、そのレポートを報告します。

札幌市民体育大会の3週間後に開催されたということで、大きくコンディションを落とすことがなく(逆も然りですが)、今大会に挑めた方が多かったのではないかと思います。

そして再三申し上げていますが、大会を開催してくださった運営方には、感染対策を含めいつも以上に多大なご尽力いただき、心よりお礼申し上げます。

 

今回のレースレポートは、身内に対する戒めの要素が多くなってしまいました。

ご了承ください。

来年以降、自転車部としてレースで活動していくうえで、必要なことだと思いましたので、単刀直入に書かせていただきます。

 

<<<第39回道新杯自転車ロードレース大会>>>

カテゴリー:エリート

出走者:山本(B4),鈴木(B4),飯塚(B3),大宮(B3),長澤(M2)

プロフィール:1.6km×25周回

天気:晴,15℃程度

リザルト:6位 地域別は優勝

 

<<レース前>>

前日は結構バタバタしていて、大会の準備をせずに就寝してしまった。

今回は諸事情で、北大とは別行動することになり、幸い家が近い牧野君に乗せてもらうことに。

出発前に急いで準備をしていたせいで、移動途中で肝心なシューズを忘れたのに気づき、途方に暮れる(ちょうど自分のペダルと足のサイズが合う部員がいたので、有難くお借りした)。

意外と時間に余裕を持って会場に着き、エリートの出走時間までは札幌市民と同じく結構ある。

だがその間、北大と合流し、何かしら手伝い、作戦会議、他のチームの方とお話、そしてご飯と機材の準備等を済ませていたら、試走1周だけしてアップするような形になってしまった。

時間の管理が甘かった。これは反省。

満足にアップできずに、スタート地点に整列し、スタートまで待つ。

周りを見渡すと、後ろでアーティファクトの奥山君、ボンシャンスの島野君、そしてイナーメの牧野くんがかたまって何か話していたので、確定ではないがグルだと察する。

もちろん、その3人はマークするが、他の脚のある選手はNSRの宍戸さん、函館の堂田さん、札幌市民で元気だったMRCの小倉君あたりか。

彼らの動きに注意しつつ、北大の作戦を上手く実行できるように立ち回ろうと決心する。

チームの目標は、チームワークを果たし、個人または地域別で優勝すること。

具体的な作戦は後述する。

 

<作戦>

レースは水物なので、大まかに作戦を立てた。

エースは大宮君、もしくは自分。具体的には、

スプリンターである大宮君をエースとして、小集団のスプリントで頭をとるか、ルーラーである自分をエースとして、独走に持ち込んで優勝するか。

ちなみにアシストは、鈴木、山本、飯塚、場合によっては自分の3あるいは4人。

共通して行うことは、序盤は北大で脚がない順に、上記の脚のある選手が逃げや先頭集団を作ろうとしたときに潰しに行く。

あるいは何も展開が起きなさそうなら、こちらから逃げを打つ。

そして中盤に振り出しに戻し、そこから本格的に動いていこうというもの。

その時に、お互いの脚の状況を確認して、大宮君がいけそうだったら、アシストが速いペースで集団をコントロールして大宮君を発射、ダメそうだったら、自分が逃げられるようにアシストが追走を封じるようにするという流れ。

道新杯のコースは平坦ではあるが、風が強くて開けているので、後ろで楽をしようとしても、じわじわと脚が削られていく。

終始ペースを緩めず、きつい状態を作れば、地脚がない選手からドロップするのは明白なので、それは徹底する。

以上のことを共通認識とした。

 

<<レース>>

スタートして間もなくNSRを中心に速いペースを刻む一方で、北大は出遅れ、後ろのほうに追いやられてしまう。もちろん自分も含め。

集団は元気なので、この段階では中切れが起きる状態ではない。

2周目に入るところで、MRCの小倉君とイナーメの牧野君が飛び出す。

そうはさせないと何人かブリッジしていて、その中には奥山君、島野くんらが含まれている。

先頭集団が形成されるかというところで、自分は集団に阻まれて、前に出ることができない状態。

北大の誰かが、ブリッジしているのかと思いきや、自分の前には誰もいない。

ということは自分より後ろにいるので、自分から動くしかないと悟る。

初っ端から作戦が崩壊し頭を抱えたくなったが、いつの間にか5人ほどに絞り込まれて、段々とメイン集団から離れつつある先頭集団にブリッジしに行く。

北大が誰も入っていない先頭集団を潰すつもりで、じわじわと差を詰めて4周目に追いついたが、なぜか皆付き切れしている。。

メンバーを確認すると、奥山君、牧野君、島野君、宍戸さん、あと31番の選手(後から知ったが、堂田さん)の5人。

おそらく、スプリンターの奥山君をエースとして牧野君、島野君がアシストで、宍戸さんと31番の選手は見た感じ、重量級スプリンターみたいな感じ。

明らかに自分が不利な状況だったので、後ろに追いついてもらおうと、しばらくはローテに入らず。

このメンバーで独走勝利は厳しいと感じたので、せめて大宮君はこの集団に入れたい。

かといって、また後ろの集団に戻って連れてくるのはナンセンスなので、この先頭集団のペースを気付かれないように落とすしかない。

先頭に出る時は少し時間をかけて出るようにし、何周かは先頭集団のペースを落としつつ、脚を溜めつつで後ろを待つ。

一時後続が近づいていたが、ある周を境に離れていくのを確認。

追走集団にいても、先頭集団にいる面子はある程度把握できるはずだし、その気になれば先頭集団にブリッジできたはず。

何を考えてアシストは集団内に留まったのか気になるところ。

この面子なら追いつかれることはもうないし、自分で勝負するしかないと思ったのが、中盤に差し掛かったとき。

不利ながらも作戦を立てるが、最後のスプリントでは勝ち目がないし、ここから誰かと協調して抜け出すのも現実的ではない。

抜け出してから千切る脚があれば別だが。

スプリンターが半分もいる面子を逆手に取って、最後の牽制するタイミングで一気に爆発して独走するしかない。

これが唯一の方法なのかなと。

レースの半分を過ぎたあたりで、少し余裕のありそうな牧野君が抜け出すが、だれも追わない。

宍戸さんと堂田さんは余裕がありそうだが、動きが消極的。

自分をマークしている可能性もあるけど、捕まえたときにカウンターされないように例によってじわじわ詰めて追い付く。

だけど誰もカウンターはせず、またローテーションをし出す。

奥山君は顔が疲れているように見えたけど、普通に踏めているのでダミーで、島野君は顔には出ないけど疲れている様子、牧野君はまだ余裕ありそう、体幹が崩れていない。

自分からは動きたくはないので、ひたすら我慢。

終盤に差し掛かるころ、また牧野君が抜け出し、先ほどと同じようにまた潰す。

ラスト2,3周からアタックが頻発するが、難なく対応する。

一つ一つのアタックのキレや時間が短いので、意外と疲れていることを察する。

それだったら、きつい局面からさらにアタックをかければ決まるはず。

最終周に差し掛かったとき、宍戸さんがいい感じのアタックをしたので、それに反応すると少し差が開いたが、すぐ牧野君に詰められる。

まもなくして、横風区間で風下側のコース際からアタックをすると後ろが離れた!

そのまま踏み続けるが、後ろから先頭で追ってきたのはなんと奥山君。

スプリントを諦めたのか、実は元々牧野君か島野君のアシストだったのか知らないけど、これにはびっくり仰天。

意外と最後は踏み切れず、最後のホームストレートで吸収。

速度差はそこまでなく後ろには付けそうだったが、ここからもう一発スプリントして着る脚はないと悟り、最後は流してゴール。

6位だったが、来年の全日本選手権の資格は取れた模様。

追走集団の7位争いでは大宮君が無事に頭を取り、地域別で優勝を決めた。

 

エリートで優勝していないので偉そうなことは言えないが、レース全体として、ただ強い選手が序盤から抜け出し、そのまま優勝争いをするという単調でつまらない展開だった。

北大としては、チームワークを果たし、個人または地域別で優勝するという目標を掲げた。実際に地域別で優勝したのはいいが、チームワークの面でいえば、勝つための動きが全然できていなかったように思える。

名指しでは言わないが今回のレースでは特に、他のチーム員の位置取りの確認、脚を使うべきところの判断が欠如していたと思う。

周りを見ることはとても大切です。

 

来年は卒業するので、北海道大学自転車競技部として走ることはもうないけど、過去の先輩もしくは自分のレースレポートを読んで、今後のレースに活かしてほしい。

陰ながら応援しているので、練習とレース頑張ってください。