北海道大学自転車競技部の練習日記

北海道大学体育会公認の自転車競技部の練習日記です。部員がそれぞれ記事を投稿していきます。





ツールド北海道レースレポートです。
一年生の参考になればと思い、アップ内容や自分のレース前・中の考え方を書きました
あくまで私個人の経験に基づく考え方ややり方なので、これから皆さんも経験を重ね、
自分なりのやり方を見つけていっていただきたいです。そのための参考になれば幸いです

2017/9/9() 裏夜景下から上まで(5)

9/8〜の本選組の補給員としてのお手伝い、選手とは異なるがそれでもチーム員として大会を走っているような気持ちになれて少し嬉しかったとともによい経験ができた。いつもとは住環境のことなる空間・生活リズムによりかなり体が応える。やはり23時就寝というのが私にとっては決定的につらい・・・(それにつきる)。去年は皆さんに大変お世話になりました、ありがとうございます。17時ごろようやくフリータイムになったがそのころには体が完全に疲れ切ってしまい、のども痛く風邪気味でかなりつらい。しかし今までの経験上、自分はオフ後突然レースを迎えると、心拍が異様な上がり方をしてしまい呼吸が戻せなくなるので、前日に一度あげて、体を慣らしておかないといけないので、疲れててすごく気が進まなかったが、気持ちを奮い起こし裏夜景坂へ。ものすごく風邪気味で、絶対に体調を崩すだろうと頭をよぎるが、たいていこういう体調不良はそこまでレースには影響しない(緊張が解けたレース後に一気に来る)

 

2017/9/10() ツールド北海道2017 市民レース 68km

Aクラス(エリート+2) 総合10

2カテゴリー 2

体が疲れていてすごくぐっすり寝逝った。目が覚めた時刻から駐車場の場所取りに行くと宣言していたので朝5時ぐらいから場所取り。風邪気味だったので体が冷えないように寝袋を持っていく。待ち時間にコンビニ食。自分は甘党なのでコンビニで朝食調達をすると基本甘いパンだらけになってしまう傾向がある、しかし、レース中は多量に塩分をつかうのでちゃんとピザパンなどのしょっぱい系のパンを摂取。レース会場に行くと毎度1時間半とか2時間も前に、ローラーをぶんぶん回してる人がいるが、私にはその意味は分からない・・・。個人差があるのだろう(そういう人に限ってレース前はあまりアップをしてないような気が・・・むしろインターバルのように足が固まらないのか心配であるが、きっとローラーを回してたほうが精神衛生上よかったりするのか?)。緩い検車を終え、自分もローラー開始。自分の場合は上げるというよりは、足を回して血流をよくしレース前の待ち時間中にたまった足のだるさをとる感じ。本当は心肺も上げたほうが良いのかもしれないが、緊張?によりだいたいレース前はそういうことに気分が乗らない。実際朝練などの日常でインターバルする前のアップは練習場所への移動で賄われており、その移動でガンガン上げることはしない、かつインターバル練習ではしっかり上げれているので、練習場所への移動程度の足の回し方でいいのではないだろうか。ローラーはできる限りレース直前までしたい、しかし、場所取りもあるのでそこはいい塩梅まで(マネージャーやサポートがいる場合は場所をとってもらうとGood)。整列場所についたあとも屈伸をしてみたり軽いスクワットしてみたりと、自転車に近い動きをして直前まで体を固めない。ここらへんのアップは個人差もあるところなので、自分に合う方法をみんなに見つけてほしい。整列場所はいろんな隙をみて最前列にならべた。レース前はブレーキクリアランス、ギアの場所、サイコンの設定を確認する。

号砲とともに、先頭へ。リアルスタートまでは「審判者の車でドラフティング」とおもいきや、今回はそんなことはできなかった。リアルスタートが切られる。序盤から終盤すべてにおいて大事なのはトラブル・落車を回避すること。特にロードレース序盤は混雑しているので、たとえローテーションに加わって足を使ったとしても、それを優先させるべきだ。どれだけ足を使うかでリスク回避の確立をあげれる、それにどれだけ力を使うかは人それぞれだが、私は石橋をたたき割るタイプなので、かなり足を使ってでも前にいちどります(北海道のレースならペースが緩いので115番手ぐらい、クリテならもう少し前)。ここで思うのは、「今回は落車に巻き込まれて・・」という人が多いが、たいていの人はリスク回避に足を使わず後ろに位置取り、集団中ほどで起きた落車に巻き込まれている(もちろんそうではない場合もある)。先頭でローテーションしていたメンバーからすれば、リスク回避せず楽なポジションに甘んじ落車に巻き込まれるのは当然である。足を使うのにもそれなりに訳があるのだ。またクリテなどでは特にそうなのだが、先頭にいちどるメリットとしてコーナーの立ち上がりが楽になる。むしろ先頭なら自分のペースでいける。モエレクリテなら「メインストリートでポジションを上げ、最初の右コーナーを先頭で入り、もがかずに曲がり、登り坂で頑張らずに番手を少し落としながら登り再びホームストレートでポジションを戻す」というのがおススメ。

とくに私は瞬間の出力が弱いので、コーナーを後ろで入るとかなりきつい、本当にきつい、、、のでこれが自分なりのクリテの処世術である。短時間出力が弱い人にお勧めしたい。

話はツールに戻り、地元レースということもありコースは何度も下見したのでコーナーが来るたびに、ほぼすべて先頭でまがる。途中最初のトンネルも前から3番手ではいると、後ろからは案の定、衝撃音、悲鳴、むなしくカーボンが折れていく音がこだまする。集団の中では、たまにローテーションに加わったり会話し、周りの選手に道を教え、横から来て入るところに困っている強そうな選手を自分の前に入れてあげるというようなことで、一時は損をしても、集団内で立ち位置がうまれ、特にのちのち集団がばらけ少人数になっていったときにそれなりリスペクトがもらえストレスフリーで走れる。先頭のローテーションはだいたい8人ぐらいが回しており、その後ろにただ乗りライダーがいる。9番目のローテーションに一向に加わらないただ乗りライダーとしてみられるとあまりよくないので、その後ろあたりに位置どるのが、危険回避もでき足も使わないので一番お得。集団は穏やかに上りに入っていく。練習不足が如実に表れる登りでいかに最終日に乗れるかが大事!と思いつつ、意外にドラフティングしていれば登りもきつくなかったので、各クラス3位以内まで表彰の山岳賞に欲が出てくる。途中集団前方で小山田さん落車。前から一桁番目あたりの落車なので、このような最前方の落車にはいくら保険料を払っててもなすすべなし、もはや不運としか言いようがない、結構序盤から先頭を引いていた元気な方々が消えたように感じた(北海道のレースは本州勢からすればペースが遅くガンガン前を引く選手も多いが、そのような方々とは裏腹に、それを見越して足をちゃんとためてる方々もいるので、案外勝負どころでは序盤元気な方々が散っていく・・・)。落車で少し集団が割れ気味になってKOMも近くなり急激にペースがあがる。自分も一回だけ決まりそうな飛び出しに反応してみたが途中で垂れる、結局そのアタックした選手がKOMをとったようなので目に狂いはなかった。緩斜面のKOM争いはクライマーというよりはパンチ力がある人が最後集団からもがいて飛び出してるってかんじでしたね。ひとまず沖縄で結果を出している青木選手のグループにいれば安全圏だなと思いながら山を越える。力がない選手の処世術としては、KOMは「登り切ったところよりも頂上から下りに入る緩斜面区間でいかに前につききれるか!を重視しそこで頑張る」という意識で行くと最終便に乗れる。練習でも上り後の緩斜面でインナーとアウターの狭間、
ペダリングのリズムが変わるときにいかに頑張れるかの練習をしておくのが大事。ということで緩斜面を利用して青木選手につき、ダウンヒルの姿勢でどんどん加速して前に追いつく。トップチューブに座りながらこぐ乗り方はできる選手とできない選手で差がつくところ。普段の練習からやっていないとできないのでこまめに練習しておくのが吉(自分も鹿屋合宿中、いかに省エネするかを考え、その結果習得)、慣れていないとポジション変えたときにつります。

10名ぐらいの先頭集団に追いつき、後続からも人が増え下りきったときには20名くらい。ここまでくるとちゃんと踏める人たちしかいなくなるので、そこまで位置取りなどを考えなくともよくなる。先頭集団内ではこの20人で回してゴールまでいこうという雰囲気がただよいみんなほぼ平等にローテーション。練習不足がたたり、筋力不足である自分にとって上りはダンシングでごまかせるが、平地は本当に踏めず、相当苦しむ。一人あたりの引き時間がながいとローテーションした後疲労で付けない恐れがあるので、自分が前に出るときは、ひとつ前選手の引く時間も少なくしてあげてローテーションのサイクルを早くしてやる。かなりいいペースで回していたが、30人ぐらいの集団に追いつかれ、残念。集団が近づいてきているのもわかっていて、ローテーションを早くしないと追いつかれるのもわかっていたが、自分が長く引いてでもペースを上げたりするような足を持ち合わせていなかった、viva練習不足。

集団が50人ほどになり、再び位置取りを気にしないといけなくなる。あんまり平地で引きたくもないし・・・とおもって様子を見てると、ローテーションしているのは相変わらずもとからいた20人ぐらいの方々。きっとみんな火がついてる+ゴールも近いしまえめにいたいのだろう。20人ぐらいでろーてーするとやはりローテーションの最後尾(20番目)にきたときに不安+金魚の糞作戦できるのは21番目以降なので嫌だなと感じつつ、ウロチョロ。上りのたびに集団を減らしたい選手がペースをあげるが、ここまでくるともはやみんな死に物狂いでついてくる。減るなら最後の上りかなと思い回りの力がありそうな選手に、最後に坂があることを伝える。距離も10kmをきり散発的なアタックが繰り返される。このようなアタック合戦はだいたいの場合自分から追う必要はなく、集団に任せるのが吉。なぜなら大体のローディーが30秒だけ飛び出せるがそのあと長く持たず、集団のペースが一定だったとしても吸収される自己満アタックだからだ。そんなアタックにいちいち反応しててももがく足が疲れるので、本当に行かせてはいけない人数や選手を自分の中に決めて置き、そのときに反応するというのが最善かと思われる。最後の坂はローテーションの関係上2番手ではいってしまう。この坂は案外長いので「先頭の選手が最初思いっきり踏み始めると垂れる」or

先頭がゆっくりだと後ろから慣性を利用してガンガン選手がスピード差をつけて登ってくる」ことが多い。先頭が垂れてしまった場合、ある程度ローテーションしてスピードを維持しないと後ろからぶち抜かれ、スピード差で後ろにつくのがきついこともあるので、5番手ぐらいで入りたかった・・・。案の定一番手のエルドラードの選手が上りで一気にペースを上げた状態で中腹にきてたれはじめ先頭交代を促してくる。しかし、後ろから慣性を使って抜き去ることもできない中腹にきているのでこれ以上無理にペースを上げなくてもいい+ここまできて中切れないから逃げられないので前にでてペースを維持するために足を使いたくもなかったため、エルドラードに申し訳ないが頑張ってもらい、もしあたっくがかかった時に反応できるように虎視眈々と待機。結局何事もなく下りあとはゴールまで3キロ程度。ここまでくると集団のペースはあがりきりアタックはそうそう決まらず、いかに前に位置取り続けるかが肝となる。自己満アタックは乱発され、それを一気に捕まえようともがき選手も大勢、いろんな車列が形成されては沈んでいくのくりかえし(今レースはラストの道幅が非常に広くたくさんの車列のラインがあって面白かった)。そんななかでもがかずに足のおいしい部分を残しつつ、車列をうまく乗り換えながらいかに前を一度り続けるが肝である。最終コーナー後のストレートは400mと長いので、アマチュアレースあるあるの、最終コーナー曲がってもがき始めてゴールラインまでもたない現象が発生すると思ったので、最終コーナーは5番手ぐらいで曲がりたい!とおもっていたら5番手。完璧である。自分の現在の脚力の無さは理解しており、おそらく先頭20人のうちで一番弱いだろう、そう考えていた。ここまでこれたのは自分の経験からくる知恵のたまものであり、最善手をとり続けた結果である。最終コーナー、前4人がアウト側のラインで曲がっていく。最終コーナーの立ち上がりは一番きついのでできるだけ楽をしたい、今までの経験からIN側をつけば立ち上がりでもがかずに行ける!とおもいINをつく。目にはいってくるのは退避し停車している先導バイク、そして無情にも集団復帰を阻む中央分離帯ツールドフランスなどでよくみる一人だけロータリー逆から行っちゃったパターンのやつです。後から聞いてい見るとゴール到着が運営予想より早すぎてゴール設備が間に合っていなかったり、〜だったりなど、本来誘導員がいたのかな?と思うぐらい混乱の最終コーナーで後続の集団もコースをミスる人が多発したようだ、しかし前4人がアウトコースを選び自分は経験からくる最善手と思って、inをついたら失敗した。ここまでうまくレースをこなしたのも経験の賜物だし、ここで失敗したのも経験からくるもので、経験に笑い、経験に泣くレースだった。Inをついてバイクにクラクションをめちゃくちゃ慣らされ、コーンの合間を縫って本車線にもどるも、前4人は遠く離れていて、シッティングで必死に追う。ゴールゲートも見えずまだ先だろうと思いエアロエアロ意識で低い姿勢で頑張ってると両サイドから選手が数人来て、この人たちはスプリント距離が長すぎてもたないだろうなぁと考えていたら、いつの間にかゴールマットを通っていた、スプリントすることもなく中切れ修復のためのエアロフォームで下を向いていた瞬間にマットが車輪の下を通り抜けた。ゴールもかなりわかりずらかったが、少なくとも最後僕を横から抜いた4人具以来の選手は分かっていたのだから自分のミスである。

自分の練習量や出力域からすれば褒められる順位かもしれないが、自分の中では最後にすべて崩れ去った感のあるレースで結構ガッカリだった、が、自分らしいとも思う(藤原さんなど僕のすぐ後ろの選手も僕に追随しコースミスさせてしまったのは申し訳なかったと反省。藤原さんには「コースミスというよりは、清水選手のコースのほうが短かったから」とフォローしていただけた)。JCF登録をしておらずs2エントリーだったおかげで、幸い久々に表彰台に乗れたのは悪くなかった。